結婚相手が見つからない人にはどのような特徴があるか。結婚カウンセラーの大屋優子さんは「私が相談に乗った30代の女性は見た目からは『これならすぐに決まる』と思ったが、なんでも人のせいにする『他責思考』が強かったため一向に婚活が進まなかった」という――。(第1回)

※本稿は、大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)の一部を再編集したものです。

■毎回同じ理由で婚活うつに陥る30代の女性

32歳、専門学校卒、歯科助手。2年前から婚活中の彼女は、毎回同じ理由で、婚活うつに陥る。しかもかなりの頻度でである。

男受けするであろうルックスに、小柄ながらもスリムで、洋服や持ち物の趣味も良い。笑うと小さなエクボができて、チャーミング。こんな女性には、男性はイチコロだろうなと容易に想像できる。入会面談に訪れた彼女と話した時の印象はすこぶる良く、これならすぐに決まるだろうと思っていた。

彼女に婚活デメリットがあるとすれば、仕事の休みが平日であるということだ。勤務先は千葉県市川市にある人気歯科医院で、20時過ぎまで診察を受け付けている。彼女は、そこの正社員の歯科助手。土日はかき入れどきらしく、当然休むことは許されない。週末でも、仕事終わりが21時くらいになってしまう。

結婚相談所の婚活は、ほとんどの場合、お見合いが組まれるのは土日になる。理由は明確で、ほとんどの会員のお休みが、週末の土日や祝日だからである。休みが土日祝でないサービス業の会員の婚活は、お見合いの設定のハードルが非常に高いばかりか、お見合い後、仮交際となっても、休みが合わないとデートが難しい。仕事の終わり時間からのデートとなると、時間が遅い場合には、行き先も限られてしまう。

お見合いは、あくまでも顔合わせの場。その場で、雷に打たれたような運命を感じて、一気にゴールインすることなど、ほぼないと言ってよい。だから、会員には入会時に「休みは自分の予定より、婚活を優先すること」と話すことにしている。お見合いして、デートを重ねる時間が必要だからだ。彼女とも、「本気で婚活するなら、休みが土日のところのほうが有利ですよ」「そうですよね~! 私も転職するつもりなんです」と話し合った。プロフィール写真は、見た目通りに可愛く撮影できたし、相手男性への条件もさほどハードルは高くない。

彼女のように「学歴こだわらない、職業こだわらない、年収400万円以上」くらいの希望ならば、お見合いはどんどん決まっていく。順調かに見えた彼女の婚活だが、お見合いスタート直後から、様子が違ってきた。

■「写真と実物が違っていた」といってお見合いを断る

お見合い後は、当日ないしは翌日の夕方までに、今後もう一度会うかどうか、つまりは仮交際するかどうかのお返事をする。

しかし彼女は、土日休みでない彼女の予定に合わせていただき、せっかく組んだお見合いに、どんどんお断りを入れてくる。「写真と実物が違っていた」「結婚を焦りすぎてる」「趣味が合わなそう」などの理由で。

写真は、最高にカッコよく写ったものを掲載するのは当然だし、結婚相談所に登録するのは一日も早く結婚したいからだし、お互いに歩み寄って関係は作るものなのに……。彼女のお断り理由に、釈然としない気持ちはあったものの、美人さんだし、次に会う人とは仮交際を受けるだろうと信じて、お相手の相談所にお詫びを入れる。「せっかく、平日にお見合いいただいたのに申し訳ございません」のひと言を添えてだ。

ちなみに、すべてのお見合いに対し、先方からは仮交際の希望をいただいているのだから、お断りするのは本当に心苦しい。5人目のお見合いまですべて交際をお断りした彼女をオフィスに呼び、もう一度本気で結婚する気があるのかどうか、お断り理由は時間とともに解決していく可能性があるものだから、簡単に断っては、婚活は進まないことを話した。

「そうですよねえ! わかりました!」

良かった! わかってもらえた、と胸をなでおろす。アドバイスに耳を傾けてくれたのか、彼女は仮交際を受けるようになった。が、そのあとが続かない。

■「彼女ならすぐに決まるだろう」という印象は消え去った

休みが平日の彼女に合わせてデート日程を組んでくれた男性を、1回目のデートで、次々に交際終了にしたいと言い出す理由に、これまた驚かされる。

「私がタピオカを好きだと言ったら、連れて行ってくれたんですが、すごく美味しいタピオカドリンクを、相手は『微妙じゃない?』って言ったんです。ショックでした」 「デート中に沈黙の時間があったんです」「アニメが好きだって、オタクっぽくてキモイです」「私は韓国旅行に行くのが好きなのに、韓国料理が嫌いと言われました」「洋服はユニクロでしか買わないって言ってました」

彼女は、何かひとつでも気に入らないことがあれば、すべてに「いちゃもん」を付ける。

ダメな原因を人のせいにしか考えられない「他責思考」の女性なのだ。そして、決まって、「いつまでもこんなことを続けるのでしょうか。ただただ、婚活が辛いです」と婚活うつモードスイッチをオンにする。いったい、どこが辛いのだろう? タピオカを微妙と言われたから? 韓国料理が嫌いだから? 相手は、あなたを傷つけてなんかいないよね? デートの行き先が嫌なら、自分が行きたいところを言えば良くない? いつまでこんなことを続けるって、まだ何にも始まってないよね?

彼女を何度もオフィスに呼んで、話をする。そのたびに彼女は、「はい、そうですよね! 頑張ります!」と可愛いエクボ付きの笑顔で答えて帰っていく。だが、その先もまた同じだ。

デートを2回までした相手は増えてきたものの、「私の靴を可愛いと言われて、バカにされたような気がしました」「ズボンの丈が短かった。無理です」「レストランで彼は私より先に食べ始めたから、彼とは結婚できません」。重箱の隅をつついて、相手の気に入らないことを見つける癖は、一向に直らない。

彼女ならすぐに決まるだろうと思った、初回面談の印象は、どこかに消えた。いちゃもんオンナの婚活に、成婚退会の日は来るのだろうか。

■いかにもモテなさそうな国立大卒の40代男性

「一番最初に、僕でいいと言ってくれた人と結婚します」初回面談で、そう言ったのは、男性、42歳、国立大大学院卒、身長170cm、年収600万円。社員20人くらいのアルミ製品加工メーカーの跡取り息子で、クラスで一番、いや学年で一番モテないであろうタイプだ。致命的なのは、その会話力。質問には答えるが、コミュニケーション能力は相当低い。だが、彼と話していると、優しさ、純粋さをひしひしと感じるし、何よりも誠実で真面目。これを、お見合い相手が理解してくれると良いのだが。

彼は、何回も何十回も、模擬お見合いで練習をした。だが、なかなかうまく会話をできるようにはならないのだ。決まったセリフは言えるようになっても、応用がきかない。別の言葉を女性から投げかけられたらアウトだ。緊張してカチコチに固まり、お見合い中、ずっと下を向いてしまったこともある。でも、カウンセラーが諦めたら、婚活は終了だ。お断りを伝えるたび、受話器に向かって、私は彼を励まし続ける。

「これは、あなたを否定されたわけじゃない」「結婚をする相手には、あなたは少し違っただけのこと」「婚活は後ろを向いてはダメ。前しか見ない」「もっと良い人に出会うために、このご縁はないだけ」「あなたに合う人に必ず巡り合える」

■70回を超えるお見合いのすえに待っていた“運命の出会い”

断られ続けること20回を超えたくらいから、ぽつりぽつりと仮交際のお返事がいただけるようになった。とはいえ、初回もしくは2回目のデート後、先方からお断りされる。お断りの理由のほとんどが「会話が続かない」こと。一緒にユニクロに行き、デートファッションを新たに何着か購入し、デートプランも一緒に考えたが、会話力だけはなかなかついていかない。

これだけお断りされ続けると、普通の男性なら婚活を投げ出したくなるだろうし、婚活うつに陥ることもある。だが、彼はめげなかった。

だって、「僕をいいと言ってくれる女性」は、まだ現れていないのだから。こうして、彼の婚活が始まってから、1年半が過ぎた。彼のお見合いは、70回目を数えた。そこに、運命の出会いが待っていたのだ。彼より4歳年下の、小さな町工場を経営しているお宅の娘さんが「一番最初に、彼をいいと言ってくれた」女性その人である! しかも、実家の商売は鉄鋼関係で、彼の会社と非常に近い業種だ。小柄で、おとなしく、見た目かなり地味。とはいえ、芯がしっかりした女性だ。

同じ商売人の娘で、しかも似たような業種の娘さんとの出会いは、まさに彼の運命。彼女なら、彼の仕事を理解できるばかりか、ふたりで力を合わせて父親から引き継ぐ会社を守り、繁栄させていくはずである。

■「すべては、彼女と出会うための道すじだったと思います」

「今までこんなにたくさんお見合いして、たくさんダメになりましたが、すべては、彼女と出会うための道すじだったと思います」

最初は、会話すらできなかった彼が、自分の言葉でそう語ったときは、私は涙が止まらなくなった。ふたりが並ぶと、しっくりくる。夫婦は似てくるというが、彼らは結婚前からなんだか似ている。

彼の婚活には、カウンセラーとして本当に頭を悩ませ、力を尽くした。そして、何よりも彼は、へこたれることなく頑張り続けた。彼の頑張りに支えられ、成婚までサポートできたことは、私の結婚カウンセラー生活の糧になる出来事。それにしても、自分とかけ離れた、ほど遠い相手との結婚は難しいものである。

「釣り合う」とはよく言ったもので、釣り合う相手とのご縁こそ、幸せのカギ。バランスの良い相手はどこかに必ずいるものだと、彼の長い婚活を通じて、つくづく思った。

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大屋 優子(おおや・ゆうこ
結婚カウンセラー
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yue_


(出典 news.nicovideo.jp)


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